第8回 健康公開講座 『認知症を学ぼう−あなたの疑問と不安を解決します−』

  第8回健康公開講座の開催にあたって
 丹生郡医師会では住民の皆様に、身近な、頼りになる、開かれた医師会を目指し、越前町と協力して、毎年9月に健康公開講座を開催しています。 8回目となる今回は、認知症を主要なテーマに掲げ、「認知症を学ぼう---あなたの疑問と不安を解決します ---」としました。
 福井県内の認知症患者は2万2千人以上で、毎年1000人以上のペースで増加していると推定されています。越前町においても平成22年度から介護予防の基本チェックリストに加えて、福井県独自の認知症関連項目を加えた認知症検診が行われています。
 認知症は誰もがかかる身近な病気ですし、症状が進むと家族による介護も必要になります。そのため、その初期症状や、対処法、予防法などを知っておくことは大変有意義なことです。
 「もしかしたら認知症かもしれない」、「どこで相談したらいいのだろう」、「家族が認知症と診断されたがどう対応したらいいのだろう」など様々な疑問や不安を一人で抱え込むことのないように、みんなで学んで、一つずつ解決していきましょう。
 今回は、認知症の専門家とかかりつけ医、町の保健師が認知症の予防や治療、日常生活の工夫、困った行動への対処法、公共サービスなど様々な情報をご紹介します。
 また、公演の最後には質問・討論の時間を取り、会場の皆様を交えて、楽しく・実りある公開講座にしたいと思っています。多くの方々の御参加をお待ちしております。

第8回健康公開講座実行委員 田中正樹     










第8回健康公開講座アンケート集計結果
参加者数:174名、アンケート回収108名(回収率62%)
【1】性別 78%が女性
男性:20  女性:69
【2】年齢 88%が60歳以上
39歳以下:1  40歳代:3  50歳代:8  60歳代:22  70歳代:52  80歳以上:16
【3】住所 85%が越前町内
越前町 89(旧朝日町:64 旧織田町:14 旧宮崎村:9 旧越前町:2) 福井市:6  鯖江市:7 その他の市町:21
【4】今回の健康公開講座を何で知ったか?(複数回答可)
町の広報が最も多い56% ポスター:6 町広報:63 知人等からの紹介:9 病医院のスタッフより:5 チラシ:17 福井新聞:4 老人会:5 その他:4 
【5】健康公開講座の時間(2時間45分)はどうか?
25%が長すぎると回答 長すぎ:25 ちょうど良い:75 短すぎ:1  
【6】講演は分かりやすい内容だったか?
3分の2は分かりやすかったと好評。 分かりやすかった :61 普通:36 分かりづらかった:1 
【7】講演内容はあなたの役に立つものでしたか?
3分の1は非常に役立つと好評。 非常に役に立つ:31 役に立つ:65 あまり役に立たない:1 
【8】良かった講演はどれですか?(複数回答可)
認知症、これから:33  もの忘れ検診と認知症予防:30  生活習慣から始まる認知症:74  みんなで見守る認知症―多職種連携について―:42  認知症予防体操:74  認知症の基礎知識:77
【9】来年の健康公開講座にまた参加したいと思いますか?
概ね好評 是非参加したい:79 わからない:19 参加したくない:1
【10】意見・要望
1. 先に質問用紙を設けたのが良かった。
2. 休憩は無用。
3. 年1回といわず、2回お願いしたい。
4. なんとなく認知症を理解できました。
5. とても良かったです。
6. 村田先生の話で全部分かった。
7. 9、10月の日曜日は行事が多数あるため、日程を考慮してほしい。参加数が少ないのが残念。
8. 村田先生の講演はよくわかり参考になりました。グループ討論なども取り入れてはどう?
9. 学術的説明は分かりにくい。
10. 対応の方法等も映像で教えてほしい。
11. 村田先生のお話がとても良かった。お話の仕方もとても分かりやすかった。
12. また認知症体操を教えてください。
13. 資料がほしい。
14. 村田先生のお話は大変参考になりました。
15. 再度、生活習慣病についてのお話が聞きたい。
16. 認知症予防体操を図解して教えてほしい。
17. 認知症の患者を持つ家族の対応についてとても勉強になりました。
18. 認知症が怖くはなくなった。
19. 映像ばかりでなくても良いのでは?
20. 専門用語が多くて理解に時間がかかる。医師の立場ばかりでなく、実際に介護している人からの話も聞きたい。講演の資料があると良かった。
21. スライドを分かりやすくしてください。
22. 楽しく話が聞けたので、まだ大丈夫かなと思う。
23. 40歳以下の人も参加した方が良いと思います。
24. 言葉が少々早かった。
25. 織田病院の先生のお話が分かりやすく良かったです。
26. 神明公民館でチラシを見ました。神明は近いので、越前町のチラシも置いて下さい。
【11】会場からの質問と回答
 事前に質問票を配布・回収し、講演前に村田先生に目を通していただいて、講演の中で質問事項に対する回答をできるだけ取り入れていただいた。質問内容は薬に関する質問が多かったが、認知症の薬には進行を遅らせ、患者さんのみならず、家族の介護も楽になる等の利点があり、服薬を躊躇しない方が良いと回答した。また、健康食品やサプリメントは効くと証明されているものはなく、お勧めしないと回答した。次に多い質問は認知症患者さんの困った行動に対する家族の対応の仕方であった。入浴や受診を嫌がる患者さんに対する対応方法を説明し、トラブルそれぞれに対して様々なノウハウを蓄積しているので、患者さんと家族だけで悩まずに、遠慮せずにかかりつけ医や役場担当者へ相談してほしいということであった。
【12】まとめ
 当日は天候にも恵まれ、身近で関心のあるテーマということもあり、参加人数は174名と盛況であった。しかし、参加者の78%が女性で、88%が60歳以上で、男性や若年者の参加が少なかったことは問題である。認知症は生活習慣病であり、より若年からの生活習慣の見直しがその予防のために必要であることを特に若年者に伝えたかったが残念であった。今回は壮年会への参加依頼を行わなかったが、広報の対象や方法の再考が必要かもしれない。講演内容について分かりやすく、役に立つものが多いと概ね好意的に受け止められており、約8割が来年度も参加したいと回答している。しかし約25%の方が、2時間45分の講演は長すぎると感じておられるため、講演の数や時間配分などについて、来年度は再検討が必要と考える。

(主任実行委員 田中 正樹)

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