丹生郡医師会について  丹生郡医師会 役員紹介  健康長寿な福井を目指して

丹生郡医師会について


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いわゆる平成の大合併では、2005年2月1日に越前町(旧)、朝日町、宮崎村、織田町が合併し、越前町(新)が発足しました。
また2006年2月1日には、清水町および越廼村が福井市へ編入しました。
丹生郡(にゅうぐん)医師会は、この福井県の嶺北地方の西部に位置する、 越前町(えちぜんちょう)<人口22,751人、面積152.96km?(2012年2月1日、推計人口)>と福井市西部旧清水町(しみずちょう)の一部を医療圏として、 12医療機関・18名の会員により構成されています。(平成24年4月1日現在)

医師会では、かかりつけ医としての地域医療活動のみならず、学校保健活動・介護保険事業・地域行政への協力・産業医活動・一般市民への公開講座・AED普及活動など、地域に深く根ざした医療活動に取り組んでいます。

また、毎月、県内外の著名な講師を招き、勉強会をおこなって、生涯研修に励み、日常診療に役立てています。
今後も、丹生郡医師会は、より地域に密着した、よきかかりつけ医を目指して、努力していきたいと考えています。


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丹生郡医師会 役員紹介

会長  島田 政則
副会長  伊部 晃裕 , 藤田 周一 , 伊藤 達彦
理事(庶務)  両林 英之
理事(会計)  橘 良哉
理事(学術)  加藤 大
監事  松田 一夫
監事  長田 敏正
議長  津向 伸哉
副議長  田中 正樹

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健康長寿な福井を目指して    県民健康センター 田中正樹
福井県医師会だより 第550号 平成19年(2007)4月 勤務医のページに掲載された文章です。

県民健康センターは、平成6年から福井市郊外(旧清水町)のふくい健康の森にて、健康診断とがん検診を行っている健診施設です。
平成18年度からは、指定管理者制度の導入により、(財)福井県健康管理協会が、県民健康センターとけんこうスポーツセンター、生きがい交流センター(温泉施設)の管理を併せ請け負うことになりました。
県民の皆様の健康を、総合的に推進することが私たちの務めです。 戦前、福井県の平均寿命は男性40.50歳(45位)・女性39.71歳(46位)と大変短かったのですが、平成12年には、男性78.55歳・女性84.62歳と、男女ともに、全国2位となりました。 「なぜか長寿」というコピーのポスターをご覧になった方もあるかもしれません。
文字通り、長寿の要因として、自信を持って人々に勧めることが分かっているわけではありません。
しかも、福井県の健康長寿がこのまま続くかというと、実際は、かなり危ういのが現状です。
平成16年の県民及び国民健康栄養調査では、福井県男性の喫煙率と肥満度は、全国よりも高く、特にこれからの福井を担う30代での喫煙率が63.4%(全国男性57.3%)、BMI25以上の肥満者の割合が41.2%(全国男性28.9%)と突出しています。
沖縄県の平成12年男性平均寿命順位の急落は26ショックとして有名ですが同じようなことが、今後、福井県でも起こる可能性は非常に高いと思われます。
お年寄りは、健康で長生きだけれども、若者が、定年を待たずに現役のうちに早死にをする。
結果として、福井県の平均寿命が短くなるということが、危惧されます。


  


厚生労働省は、先の医療制度改革で、中長期的な医療費削減の柱として、国民医療費の3割を占める生活習慣病の予防を目指し、平成20年度より、40歳以上の全国民を対象にして、メタボリックシンドローム(図3)を標的とした新健診・保健指導を行うとしています。
健診項目を絞り、判定法を統一して、リスクに応じた保健指導を全ての受診者に対して行う。 やりっぱなしの健診から、健康づくりのための健診への転換という予防重視の姿勢は評価できます。



しかし、保健指導のマンパワー不足、受診勧奨者の増大による医療費の増大、予防効果への疑問、保険者の健診費用の負担とそれに続く保険料の増大など、問題が多く、果たしてこうした対策で、厚生労働省が試算するように、今後20年で医療費を2.2兆円削減できるか、疑問です。 また、現実に、保険者が、保健指導に多くの予算を付けるとはとても思えません。
県民健康センターでの経験からは、保健指導は容易なものではありません。 これまで慣れ親しんだ生活習慣を変えることは極めて困難です。 また、保健指導で提供する内容は必ずしも最新の情報ではありません。 誰でも知っている当たり前のことです。
それを相手に合わせて実行可能なメニューとして提供することが重要です。 保健指導は本当に難しいものだと日々痛感しています。 せっかくの新健診を、形だけの健診にしないようにしなければなりません。 また、昨年6月には、がん対策基本法が可決され、その中で、がん予防の推進及びがん検診の質の向上が謳われています。 精度の高い検診を、高い受診率でおこない、がんによる死亡者が減少するように、国・地方公共団体・医療保険者・国民・医師等は努力する責務があるとしています。
本当に必要な検診を、必要なところにきちんとターゲットを絞り込んで(名簿を管理した上で)、勧奨する。 そして、その人たちが充分受診できる環境を作ってあげる。 これまでは、ただ漫然と続けられてきたがん検診を、今後は、徹底的に管理して行うことが必要なのです。

今、がん検診と健診は、大きく変わろうとしています。
私が、県民健康センターにお世話になってから、早、3年が経とうとしています。 それまでは、外科医として臨床に携わってきましたが、将来、予防医学の分野に従事するようになると考えなかったわけではありません。 というのは、私が研修を行った福井県立病院の外科では、当時から、手術のみならず、集団検診に積極的に取り組んでいました。 上から下まで、皆、夜毎、カラカラと胃集検フィルムを回していました。
それは、元県立病院院長であり、初代県民健康センター所長でもあった山崎 信先生が、昭和40年代、外来で愁訴をもって受診してくる胃がん患者は大半が、進行がんであるため、救命可能ながん患者を拾い上げようと、胃集団検診を始められたことに拠っていました。
また開業の先生方とのネットワークが大切であること、胃腸疾患懇話会などの勉強会による診断能の向上、患者さんを第1に考えた患者さんに優しい治療が大切といったことなど、当時教わったことは、担当分野が臨床から健診に移っても変わらず診療の基本となっています。
これからも、健康長寿な福井を目指して、予防医学の分野で、がんばっていきます。
平成19年10月27日(土)、第37回消化器がん検診学会東海北陸地方会(大会長:県民健康センター所長 松田一夫)が福井駅東側に建設中の「AOSSA」にて開催、福井県健康管理協会が事務局を担当させていただくことになりました。
対策型検診元年と題して、死亡率を減少させる検診の実現のために、行政・医療機関がそれぞれの立場で何をなすべきかを検討していく予定です。
また、初めての試みとして、国立がんセンター総長 垣添 忠生先生をお迎えして、「救える命をがんで失わないために「1人ひとりがなすべきこと、国の役割」と題して、市民公開講座を開催する予定です。 医師会の先生方には今年もまた何かとご指導いただくことになると存じますが、どうかよろしくお願いいたします。



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