近年医療費の増加に対する抑制策として、在宅医療の推進や診療所の再診料の値下げなどが行われています。しかし現場の医療に携わる身としては、納得がいかないことが多々あります。
 まず医療機関の診療報酬はきつくなるばかりで医療費の増加はどこに行ったのかが判りません。医療費の上昇の原因としては、診療報酬の増加分よりも薬価の上昇が大きいのではないでしょうか? 今や日本は欧米の巨大製薬メーカーの良い草刈場になっている観があります。
それに対して、安全性の確認が不十分な後発品を押し付けるのではなく、先発品の薬価切り下げを強力に指導するのが本当ではないでしょうか。そして浮かした医療費を、もっと診療報酬に廻すべきです。
また、そもそも日本の地域医療の草分けとなった先達は、塩分制限などの薬に頼らない生活指導を民衆と共におこなってきたではありませんか。
 しかし近年は、在宅在宅と言う割りに、住民とともに味噌汁の塩分測定をして健康教室をしたと言う話しを聞くことが少なくなりました。そもそも在宅での看取りなど、自分たちの先達は1年365日診療所に縛られながら当たり前のようにやってきたことです。自分も整形外科ながらも、自治医大の派遣で診療所にいたときは、何人もの方を看取らせて頂きました。それが最近では、夜は診ない診療所が増えてきて、住民の方でも、夜は最初から大きな病院に行ってしまうようになってしまい、地域の医療機関と住民の関係が希薄化しつつあります。

 そこで今回の健康公開講座は、その目標として、?地域住民と地域の医療機関との間を少しでも縮めるため、時間の許す限り、なるべく多くの先生方にお話しをしていただくこととしました。また?温故知新として、すこしでも薬に頼らない生活を身につけるため、生活習慣の基本を大事にした講演をお願いするとともに、味噌汁の塩分について管理栄養士に、また筋力強化については理学療法士に協力をお願いしました
 今回の健康公開講座の題は、「かかりつけ医と考える明日の健康2010」です。ふるってご参集のほどお願い申し上げます。


当日のプログラム(PDFファイルが開きます。)


当日の会場の様子

*講演内容
 タイトルをクリックするとPDFファイルが開きます。
 0.講演スライド
 1.風邪とインフルエンザ
 2.お酒と健康のはなし
 3.高齢者に多い脊柱管狭窄症
 4.自殺防止キャンペーン
   食事と塩分
 5.胃腸のはなし
 6.在宅医療介護について
 7.人工関節の手術はどれくらい痛いの?
 8.医療制度の問題点

かかりつけ医と考える明日の健康2010

日時:平成22年9月26日(日)13:00?16:00
会場:朝日多目的ホール 
丹生郡越前町内郡13-9-3 TEL0778-34-2000

お問い合わせ:越前町国民健康保険織田病院(担当:津向)0778-36-1000